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『廃用症候群』は寝たきりで起こる。心とからだの廃用症候群とは

『廃用症候群』は寝たきりで起こる。心とからだの廃用症候群とは

元介護士のさと→☆(@arosatalk)です。

前回は寝たきりの原因についてお話しさせていただきました。寝たきりは動けるお年寄りでもなってしまうといった内容でしたね。

▼前回はこちら▼

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今回は『廃用症候群』についてお話ししていきたいと思います。前回の『寝たきり』について深掘りしていくことになりますので、お付き合いください。

 

廃用症候群ってなに?どんな時に起こるの?

廃用症候群ってなに?どんな時に起こるの?

廃用症候群とは、活動しない状態が続いた時に起こる二次的な機能の衰えのことを言います。

前回、寝たきりになる原因には、

  • 以前、転倒してしまい、歩くのが億劫
  • 体に麻痺がある
  • 病気またはケガによるもの
  • 腰や関節が痛くて動きたくない
  • やる気が起きなくて動くのが億劫

を挙げました。このような原因で必要以上に安静を続けてしまうと廃用症候群を招いてしまうことになります。

安静することは大切なのですが、安静し過ぎると当然体を動かしませんから、筋力が痩せて弱くなってしまことに。

病気やケガの場合は、回復力が低下しているので、安静にしている期間がどうしても長くなってしまいますよね。

老化によって関節が固まり易く、筋力も低下していくと日常生活に支障をきたします。

この時に何も手を打たないと、寝たきりを招くことになります。寝たきりになると廃用症候群を促進することになり、悪循環に陥ってしまうのです

 

からだの廃用症候群は生活の質を最も悪くする

からだの廃用症候群は生活の質を最も悪くする

寝たきりがからだに及ぼす変化は関節・筋肉・骨の機能低下です。

寝たきりが約1ヶ月続くようなことがあると、ほとんど歩けなくなることがあるので注意しましょう。

廃用症候群によるそれぞれの変化は次のようになります。

  1. 関節が硬くなり動きが悪くなる状態(拘縮)
  2. 筋肉が痩せてしまう状態(筋萎縮)
  3. 骨がもろくなってしまう状態(骨萎縮)

順番に見ていきましょう。

①関節が硬くなり動きが悪くなる状態(拘縮)

関節を動かさないと数日で拘縮が始まります。1ヶ月も放っておくと関節は動きにくくなってしまいます。

関節周辺の皮膚や筋肉が伸縮性を失っている為、痛みが伴うこともあるので無理に動かしてはなりません。

拘縮の起こりやすい病気は、

  • 化膿性の関節炎
  • 変形性関節症
  • 関節リウマチ
  • 関節部分の怪我
  • むくみ
  • パーキンソン

などがあります。

下肢に拘縮が起こると、転倒し易くなったり、アキレス腱が痛んでしまうことがあります。

上肢の拘縮では、食事や排泄、着替えなどが難しくなってしまいます。

何をするにも痛みが生じてしまい、痛いくらいなら動かない方がいいと寝たきりになってしまう方もいるので、注意が必要です。

 

②筋肉が痩せてしまう状態(筋萎縮)

筋肉は使わなければ使わないほど、筋繊維が細くなり筋肉が痩せてしまいます(筋萎縮)。

動かさない以外にも以下のようなことでも筋萎縮が誘発されます。

  • 栄養状態が悪い
  • 神経の麻痺
  • 関節の拘縮

筋肉が痩せてくると歩行状態が不安定になり、転び易くなります。転んだ際は筋肉が痩せている為、衝撃が骨に直接伝わり骨折につながります。

筋萎縮していると、床擦れにもなりやすいので、からだの観察はしっかり行いましょう。

 

③骨がもろくなってしまう状態(骨萎縮)

骨萎縮は寝たきりや動かないでいると、その間にどんどんカルシウムが抜けてしまって骨がもろくなってしまいます(骨萎縮)。

筋萎縮も骨の弱まりを促進させるので、注意しましょう。

骨がもろくなっているので、当然骨折し易くなってしまいます。体重を支えることが出来ず、背骨に圧迫骨折が起こってしまう…なんていうこともあります。

また、寝たきりのお年寄りは介助しようと抱きかかえたら骨折してしまった…ということもあるので、気を付けなければなりません。

 

全身機能の低下と心の廃用症候群

全身機能の低下と心の廃用症候群

寝たきりと廃用症候群。この2つは関節・筋肉・骨などの運動機能を低下させてしまいますが、それだけではありません。

その他にも、

  • 生理機能
  • 内臓機能
  • 精神機能

にも悪影響を及ぼします。寝たきりと廃用症候群がとてもからだに悪いということがお分かりいただけたでしょうか。

運動機能以外の悪影響については、以下の2つをお話しします。

  1. 全身機能の低下
  2. 心の廃用症候群と認知症状

 

①全身機能の低下

お年寄りの全身機能の低下による症状を以下にまとめました。

  • お年寄りは調節機能が低下しています。すると、立ちくらみを起こしやすくなります。中には失神することも。
    そんな状態のお年寄りが長期間寝ていると、立ち上がる時に調節が追いつかなくて脳貧血を起こします。
  • 肺機能の低下ではたんを出すことが難しくなってきて、細菌感染してしまい、肺炎を起こしやすくなります。
  • 消化器官の低下では食欲がなくなってきたり、便秘を引き起こします。
  • 心肺機能の低下では、疲れやすくなる、動悸、息切れを引き起こします。

全てがすべて、症状が出るわけではありませんが機能の低下は確実に起こっています

日頃、お年寄りの観察をしていれば、早くに発見することが出来ますので、些細な変化を見逃さずにお世話をしていきましょう。

 

②心の廃用症候群と認知症状

心の廃用症候群とは、自ら何かをしようという意欲を失った状態のことを言います。

過介護によって、甘えが生じます。お世話をしてもらうのが当たり前になってしまい、本当は自分で出来ることもお願いするように。

このような心の廃用症候群は外出をしなくなり、周りとの関わりも乏しくなってきます。その結果、良い刺激がなくなり、認知症になってしまうことも少なくありません

心の廃用症候群に陥り、認知症になってしまうと自立した生活をすることが難しくなってしまいます。

介護者の手を煩わせてしまい、どんなに励ましても、どんなに説得をしても、言葉は届かなくなっていきます。

 

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